Weaveeメンバー活動報告vol.4【小学生向けに書き方・伝え方講座を開催しました】
2026年2月25日、神奈川小学校(京急東神奈川駅)で、ライティングに関する講演が開催されました。講師を務めたのは、Weavee地域ライター2年目の松井美智子さん。所属ライターが小学生に向けて講演するのは、Weavee史上初の取り組みです。松井さんの後輩ライターである私が講演を見学してきたので、現地の様子をレポートします。
「作家の時間」で自分の作品と向き合う子どもたち
今回訪れた5年1組では、総合の時間を「作家の時間」とし、生徒の皆さんが執筆活動を行っています。約1年かけてそれぞれのオリジナル作品を完成させることがゴール。作品は、書き物であれば詩や物語などなんでもOKとのこと。ふだんは、担任の先生が書くうえで役立つ「技」を生徒に教え、後半は生徒たちがその技を使って各々の作品を仕上げていくというスタイルを取っています。
今回は、newcalの記事を執筆している松井さんが、書く際に気を付けているポイントを「技」のひとつとして、生徒に伝えることになりました。
写真(絵)と文は2つで1つ

講演の前半は、情報を伝える手段として「“写真(絵)と文”が密接に関わっていること」を感じてもらう授業でした。
ワークシートには、防災教室の様子の写真が載っており、現場の状況を文章でも伝えています。その文章を読むことで、写真だけでは伝わりづらい情報を受け取ることができます。一方で、文章のみになってしまうと、今度は視覚的な情報が欠けてしまい、その空間をイメージしづらいといった難点も生まれます。つまり、「写真(絵)」と「文」は両方そろうことで、より多くの情報を読み手に伝えることができるのです。

このことを理解したうえで、松井さんが用意したワークに取り組んでもらいました。内容は、ウサギとライオンが並ぶイラストを見て、オリジナルストーリーを考えるというもの。同じイラストでも、生徒によってさまざまな物語が生まれ、子どもの想像力の豊かさに驚かされました。と同時に、伝えるべきことをしっかりと文章で示さなければ、書き手が意図しない受け止め方をされてしまう可能性があるという難しさも感じられるワークでした。


具体的な表現で、情報が伝わりやすくなる
後半は、「情報の正確な伝え方」について。松井さんが大小さまざまなサイズのボールを黒板の前に掲げ、「これは大きい・小さい、どちらでしょう」と生徒に質問しました。ピンポン玉くらいだと「小さい!」、ドッジボールは「大きい!」と子どもたちの声が揃いましたが、ソフトボールになると、大きく感じる子もいれば小さく感じる子もちらほら。

こうした“感覚の差”は、大人になっても感じる瞬間が多々ありますよね。店舗紹介の記事を書くときも、「近い」という表現が悩ましいところ。駅から徒歩3分、5分、7分、10分、15分、あなたはどこまでなら近いと感じますか? ちなみに私は5分くらいでしょうか。このように、「大きい・小さい」「近い・遠い」といった形容詞だけで片づけてしまうと、ときに誤解が生じてしまいます。
その解決策として「具体的な数字を使うこと」「みんなが知っている身近なものと比べること」がおすすめ、と松井さん。たしかに、「スマホと同じサイズ」など共通認識のあるモノで例えてもらうと頭の中でイメージしやすいですよね。
その後は、「習字バッグを見たことのない人にどう伝えるか」というワークに挑戦してもらいました。重量計や物差しを使って、正確な数字を出そうとする子もいれば、教科書やランドセルなど身近なアイテムと比較しながら、仲間同士で意見を出し合う場面も。「えんぴつは?」「のりは?」と質問が飛び交いながら、終了時間ギリギリまで熱心に取り組む姿が印象的でした。


一方的に伝える授業ではなく、参加型のワークを織り交ぜることで、生徒たちも理解を深められたようです。ある生徒からは「今回の内容以外に、ライターとして気を付けていることはありますか」という質問が。松井さんの答えは「ネットに載っていない情報を積極的に取りに行くこと」。まだ世の中にあまり知られていない情報を多くの人に届けたい、という彼女のライターとしての熱意が感じられました。
「書き方・伝え方」のコツが、“書く表現力”を伸ばすヒントに
「子どもたちの“書く表現力”が育ってほしい」という担任の川﨑先生の願いから、「作家の時間」はスタートしたのだそう。松井さんが今回講演した「書き方・伝え方」のコツが、生徒たちの新しい「技」となり、それぞれの作品の表現につながっていくとうれしいですね。
そしてなんと、来年度は年間を通して松井さんがライティングの講師を務めることが決定! ライターの仕事だけでなく、教育現場でも活躍の幅を広げていく松井さんを、Weavee一同も応援してまいります。
今回の講演では、ライターである私も改めて学ぶことがありました。自分にとっての“当たり前”は、みんなにとっての当たり前じゃない。そのことを自覚しておくだけで、人にやさしく、伝わりやすい文章へ近づく一歩につながるのではないでしょうか。
Weavee地域ライター/多和田夏織